アワイチ~淡路島一周~の注意点と感想まとめ
こんにちは。
さて、これまで7回にわたって自転車での淡路島一周(通称アワイチ)の過程を記してきましたが、今回はアワイチを終えてみた感想と、読んでくださる方がもしアワイチをする時に少しでも参考になることをお伝えしようと思います。
①アワイチの日程の組み方について
まずアワイチの日程の組み方についてです。
アワイチは総走行距離150kmのコースが基本です。また、それに加えて淡路島一周の定義からは外れますがいくつかのショートカットコースが存在しています。
ここでは、私が実際に走ってきた150kmのフルコースについてお伝えします。そのほかのコースの概略はこちら(淡路島サイクリングマップ)。
アワイチの日程を組むのに考慮すべき要素は
①アワイチ後の予定
②走行速度
③宿泊の有無
です。
a.アワイチ後の予定について
アワイチの日程を組むのに実は重要な要素として、アワイチ後の自身の予定があります。
アワイチは楽しさがある反面、かなりの肉体的疲労を残すアクティビティです。特に夏や冬、雨天といった過酷な気象条件の中行う可能性もあり、アワイチ後に体調を崩す可能性もゼロではありません。
学業もしくはお仕事がある方は、翌日を休日にすることは難しいと思いますが、なるべくアワイチの翌日に重要な案件がないことが望ましいです。
b.走行速度について
続いて走行速度についてです。
アワイチをサイクリング未経験者がチャレンジすることは珍しいと思いますが、未経験者の方が挑戦される可能性もゼロではありません。その場合は、ご自身の自転車での走行速度をあらかじめ把握してから臨むことをオススメします。
クロスバイクやロードバイクなどのスポーツ自転車を持っている方はそれを、持っていない方は普段乗っている自転車で、「疲労感を感じずに30分漕ぎ続けられる距離」を測ってみてください。
その距離を二倍したくらいの距離が、アワイチで実際に維持できる平均時速くらいではないかと思います。例えば、「8kmくらいなら30分で楽に漕げるぞ」、という方は実際のアワイチでも平均時速16kmくらいは出せるでしょう。
c.宿泊の有無について
脚力に自信のある方やサイクリング常連の方以外は一泊二日で行うことをオススメします。なぜなら、天候や自身の体調によって思わぬ足止めがあった場合でも、途中で断念して当日中に帰ってくるということが難しいからです。
島を一周するという特性上、50kmくらい走って断念したとしても、スタート地点に帰るには単純にもう一度50kmを何らかの手段で戻らなくてはなりません。
この手段がなかなかないので、結局もう50km自分で漕げるか、というと、そんな体力は残っていないはずです。
(私は実際、琵琶湖一周チャレンジで途中で断念して地獄を見たことがあります(泣))
淡路島は西半分と東半分がおおよそ同じくらいの距離になるので、スタート地点とほぼ反対側の地域で宿を予約しておくと良いと思います。
②アワイチに必要な荷物+クロスバイクかロードバイクか、の話
アワイチに持っていく荷物ですが、これは軽ければ軽いほど良い。
先に言っておきますと、私は性格的に「これも必要かなぁ」という不安から大きめのリュックサックがパンパンになるほどの荷物を持ってアワイチをしてしまいました。腰が悲鳴をあげました(笑)。
と言いつつも、化粧品の有無、着替えの好み、季節などによって必要なものの量は変わってくると思うので、最低限必要な荷物だけ挙げておきます。
- 水分…常に500mlペットボトル一本分くらいの水分が飲める状態にしておくと良いです。たとえ冬でも、自転車を長時間漕いでいるだけで水分は失われていきます。
- 自転車修理キット…ベテランの方は自身で持っていると思いますし、初心者の方もレンタサイクルのオプションでつけられたり始めから付属していたりするので、心配はないかと思います。
まったく修理キットというものに触れたことのない場合は、パンク修理のやり方だけでも覚えておくといざという時に役に立つと思います!(自転車のパンク修理のやりかた)
- 通信機器…スマホです。必要というか、なくてはならない理由が多すぎるので割愛します(笑)。バッテリーが切れないようにフル充電で臨みましょう。
絶対に必要なものはこのくらいです。
そして気になるポイント、クロスバイクかロードバイクか、の話です。
ロードバイクでアワイチしたことしかないので、クロスバイクと直接比べることはできません。しかし言えることは、状況によってどちらが最適かは違う、ということです。
初心者の方に向けて極めて単純に説明すると
・クロスバイク→乗車姿勢が楽(一般的な自転車に比較的近い)。しかしスピードは控えめ。
・ロードバイク→乗車姿勢がやや特殊(基本的に前傾した姿勢になる)。しかし速い。
となります。
そして大事なことは、150kmという長い道のりを、「より楽しく漕げそうな方」を選ぶことです。
そのため、ゆったり時間がある場合はスピードが出にくくとも姿勢が楽なクロスバイクの方が体への負担が減ってより楽しむことができるでしょう。
逆に、時間に制約のある場合や特殊な走行姿勢に慣れている方はロードバイクの方がより疾走感を楽しむことができるでしょう。
(ただ、個人的には坂道だとロードバイクの前傾姿勢の方が漕ぎやすく感じています。このように個人によって感覚も違うので、どちらも乗りこなせそう、という場合は結局のところ好きな方を選べば良いです。)
③アワイチの行程について
アワイチの行程に関して説明します。
序盤に記載した淡路島サイクリングマップが、標高の推移や距離を大変詳しく説明してくれているのでそれを参考に所要時間を計算します。
登り坂だと場所によっては自転車を押して歩くこともあり得ます。そこでは時速10kmほど遅くなってしまいますが、登れば登るほど下り坂のご褒美が待っています。
結局のところ登りの減速と下りの加速が打ち消しあって、所要時間は平坦な道だと仮定して計算するのとあまり変わらない印象でした。
一つ目の項目でお伝えした、自身の「走行速度」をもとにして、その日に進みたい距離がおよそ何時間かかるのかを計算しておきましょう。
私が実際に走った時は、平均速度およそ18kmで、休憩を含めると半周するのに6時間ほどかかりました。
手前味噌ですが、私のこれまで書いてきた記事もぜひ参考にしてください。
*注意事項
険しい登り坂が待ち受けるエリアについては「淡路島サイクリングマップ」を参照していただければと思いますが、それをお伝えした上でさらに念押ししたいことがあります。
それは、洲本市街を抜けて「うずしおクルーズ」で有名な福良港に向かうおよそ50kmの道のりの中で半分の25kmを占める『南淡路水仙ライン』が危険だということです。
このエリアは、レンタサイクルショップの店員さんや他のブロガーさんも口を揃えて忠告するポイント。過酷な山道が存在するのですが、それだけではない。
なんとこの区間、コンビニがひとつもなく、公衆トイレがたったの二つしかありません。そして、電波が圏外となることもあります。
アワイチを安全に楽しく終える上で最も重要なのが体調。しかしこのエリアは体調を崩す要因をいくつも兼ね備えています。
対策として、洲本市街で食料と水分を十分に確保し、お手洗いをすませておきましょう。電波が圏外となる場所については、体さえ動けば抜け出すことができますから。
④淡路島の魅力について
アワイチの途中で出会う数々の観光スポットについては、これも以前の記事に書いてきた通りです。
また気温に関しても、私の住む滋賀県と比べると数度低い印象で、空気もややカラッとしていて本当に気持ちの良いものでした。
「あわじ暮らし総合相談窓口」さんのサイトの説明では、平均気温15.5℃(1981年~2010年)で、夏は都会よりも数度気温が低く感じられるとされています。
7月下旬にチャレンジしたので、初めは熱中症が非常に心配でしたが、そんな真夏でも無事に終えることができました。もちろん、熱中症対策は必須中の必須ですが。
⑤アワイチは、おもろい。
アワイチは、まじでおもろい、です。
- 気候…夏は涼しく冬は暖かい。そして瀬戸内海に位置して湿度も比較的低い。雨の日も少ない。
- 景色…息を呑むほど美しい海を見ながらのサイクリングとなる。海だけでなく、特に夏場は海の反対側に緑に満ちた山々を望むこともできる。絶景のサンドイッチ。
- グルメ…沿岸部では(もちろん内陸部もだが)新鮮な魚をいただける。アワイチでは常に沿岸を走るため、新鮮なお魚がいつでも私を待っている。
- 島ということ…個人的には「島を一周する」ということが絶妙に励みになる。地図上で自分の位置をみればすぐにどのくらいの距離を進んだか、残りの距離はどのくらいかという情報がわかる。
そのため、「次はここまでがんばろう」という目標設定がしやすい。
という特徴から、アワイチは最高です!!!
淡路島を目で見て舌で味わって耳で聞いて肌で感じる。そんなことができるのはアワイチだけです。
ぜひ、この感動を味わってもらいたいと心から思います。